[お知らせ]2024年共通テスト 化学の分析結果をご報告します。

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本日はSTUDY STUDIOのホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。

 

2024年共通テスト化学を解き終えましたので当校の分析をご報告させていただきます。

当校では塾長・塾長代理を含む講師が制限時間を設けて問題を解き、実際に感じた問題の難易度について分析しております。

それは出題内容を把握しても問題のレベルは解らず、リアルに感じからこそ得点出来る知恵を提供できると考えるからです。

その点をご了承の上、ご参考いただけると幸いです。

 

全体的なレベルとしては平易な問題が多かったように感じます。

ただ、問題を沢山解いて理解できる「典型問題」と問題文をしっかり読解し知識を活用する「思考問題」の2文が思考型に寄って

きた事で、計算問題が少なくなっている事を肌で感じます。

これはやはり化学において問う事は計算ではなく物質の性質や変化についてであることを軸にしている事が伺えます。

計算問題については、第1問に2問、第2問に1問、第3問に2問、第5問に2問の計7問。

全31問に対して25%程度に収まっています。

計算問題を全て間違えても70%の得点率を期待できる内容になっておりますので、化学を自学習する上で知識の応用を実戦して

いかなくてはいけません。

 

大問毎に詳しく見ていきます。

第1問は配位結合がどのようなものかを知っていても知識が十分でないと2択で悩んでしまう問題が多くなっています。

問1なら③④、問3なら④⑥、問4aなら②④、bなら③④。それぞれで安直に判断してしまうと間違った番号を選んで

しまいそうな内容です。

第2問は問1と問4cは簡単な問題です。これは正解してほしい。

得点力が表われる問題は問2と問3です。特に問3。イオン化傾向で解いてしまうと間違ってしまう思考問題です。

電池の反応式を参照しながら想定しないといけないのに、間違えてしまう問題ではないでしょうか。

問4aは沢山問題を解く受験勉強をしてきた受験生は⑤を選んでしまうかもしれません。

グラフの末端が軸に近づいた時にどのようになるのかを判断するには少々手数が必要な問題ではあります。

第3問は問1、問3、問4aは正解してほしい問題です。

問2のアスタチンの性質を知っている受験生は少ないのでこれは思考問題。問3はステンレス鋼が解るかが重要です。

暗記で解決するのではなく性質を理解した上で適切な分子を見抜く思考力を鍛える必要があります。

問4bとcは実は計算しなくてもおおよその解答は見当がつく問題です。

しかし、問4bは計算力が求められるので自信がない受験生はこういう問題を敬遠する様に問題を解くと良いかと思います。

第4問は有機化学ですが、殆ど天然有機物の内容です。

これまでよく出題されていた構造決定の問題は2次試験で出題される事が多いので、共通テストではほぼ壊滅状態になり、逆に

物質の性質を問う問題のバリエーションが増加しています。

問4のサリシンやペニシリンの問題は金沢大学や鳥取大学で出題された事がある問題ですが、それを問題文を詳しく書く事で

問題を解きやすくしてくれています。

有機化学は読解力も必要となっていく傾向が伺えます。

第5問はドーピング検査の問題です。

この問題が出題されたのは2024年はパリ五輪の年であることと、東京五輪にドーピング問題が顕著になり厳罰化したからでは

ないでしょうか。

この問題は難易度の高い問題です。じっくり考えても解らないようであれば他の計算問題や解いた問題の見直しをした方が良い

レベルです。全く解らないようであれば時間を要するのを避けるのが正解かもしれません。

早稲田大学・慶応義塾大学や薬科大学がこのような問題が好きな傾向があります。

今後もこのような「専門的な問題」が出題される事が予想されますので、その傾向が強い大学の過去問に触れる事も重要です。

問3aは2014年の大市大の第1問と同じ問題なんです。

当校の受験生はDiscussion STUDYで取り組んだことがある問題ですので、ラッキーだったようです。

 

当校では来年の出題傾向に基づいたテキストを毎年編集し、その問題が出題されている実績があります。

テキストの凄さに感謝をし、また半信半疑の対策もこの時期に確信に変わります。

毎年、このような事実と対峙している私達としては、塾長の先見性と選眼力には恐れ入ります。

 

化学の平均点は60点程度ではないかと予想します。