[塾長ブログ]2024年度国公立大学前期日程化学 旧帝大の問題を比較しました。

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皆様、御世話になっております。

STUDY STUDIOの服部 智仁です。

 

2024年2月25日・26日に国公立大学入試前期日程の筆記試験が終了しました。

受験生は大学受験対策の1つの方法として過去問対策を実施します。

しかしながら、その大学で出題された問題は今後長期間、同じ大学で出題される事はございません。

志望校の対策をするならば、他の大学の入試問題を参考にするのが有効な方法だと考えております。

ただ当てずっぽうで研究しても意味がありません。

実際にどのような問題が出題されていて、どんな対策をする事が近道なのか。

志望校の対策を教えてくれるのは、他校の入試問題だったりします。

 

最近の化学の出題傾向を一言で言えば「思考力を問う入試」になっている事です。

例えば、これまでは東京工業大でしか出題されなかった「~から全て選べ」という問題が東北大や名大、九大でも出題されるように

なってきました。東工大は「1つまたは2つ」なのに旧帝大は「それ以上ある可能性」を含んでいるという難易度の高い問題です。

つまり、「俄か知識では正解できない」という正確な知識と自信が必要になります。

それを身に付ける為には丁寧な整理と、化学現象の思考が必要となります。

それと同レベルの論述は東大と阪大で出題が保存されています。

だから、思考力を問う問題が増加傾向にあると考えられます。

 

 

どの大学も概ね大問4題~6題となります。

東大や北大は大問にⅠ・Ⅱの2題がある為、分野別にすれば大問6題と同じ構成になります。

今年の入試問題では東大と京大がヘンリーの法則を出題しており、九大ではラウールの法則が出題されるなど受験生にとって盲点と

なってしまう単元から出題されている事が気になりました。

更に京大で出題されたジアゾ化や阪大で出題されたモルヒネ、東北大の過去問のバイヤー・ビリガー酸化のような「目新しい問題」は

全て消失していました。

全ての大学で難易度は易化の傾向にありました。

しかし、それは過去問研究をしてきた受験生からしたら大きな誤算なのです。

得点を獲らないといけないという事はそれだけプレッシャーがのしかかるという事です。

決して簡単ではない問題で70%程度を獲得しようとするのは時間という自分ではどうしようもない負荷がかかります。

 

どの大学も理科は2教科で150分。

つまり単純計算で1教科75分は配分出来るのですが、それが短いと感じた受験生も多いのではないでしょうか?

実はそれが正解なのです。

殆どの受験生は得意教科に時間を割くように考えると思いますが、化学に時間を割く事はお勧めしません。

物理の方が点差が生じやすい内容ですので、物理に時間を割き、化学は解きやすい問題から攻める。

実は、旧帝大では計算問題の出題率が増加傾向にあります。

計算問題は40%程度の出題率。京大や東北大は計算過程も明記しないといけません。

裏を返せば、それ以外なら60%程度の得点率。これを全て正解する事はほぼ不可能です。

 

旧帝大の入試問題から学ぶ来年度の受験対策。

その1つに「計算力の強化」が挙げられます。

また、無機化学からの出題が減少してますが、その反面、出題が復活する可能性もあります。

京大・阪大では出題されず、名大・九大では減少しています。

新しい物質を発見し続ける限り、無機化学は無くならないと考えれば警戒する必要があります。

過去に横浜市立大のような理科系大学では無機化学の論述が頻出していました。

今年の問題では新傾向はありませんが、過去新傾向問題を使って思考力を鍛えてください。

1人では難しいならそれに精通している当校で鍛える事も可能です。